こんにちは、東京・板橋の害虫駆除業者アイリスです。
害虫にお悩みの皆様に役立つよう、ここ「アイリス広場」から情報をお届けいたします。
ご自宅に害虫が出てしまって、どのように駆除したら良いのだろう…?害虫駆除を頼める業者は…?と、初めての時には色々と不明な点が多いかと思います。
この記事では、害虫の駆除にお困りの方の手助けができればと思い、害虫駆除にまつわる様々な情報を網羅できるような情報をお届けしたいと思います。
1.害虫・害獣を放っておいてはいけない理由
1.1.知っておきたい害虫・害獣の恐ろしい被害
みなさんの家は、害虫・害獣の対策は十分にできていますか?
「我が家は被害にあったことがないから大丈夫」と思っていても、この先被害にあう可能性は十分にあります。
では実際にどのような被害が存在するのか?
ハエやゴキブリなどの害虫の場合、直接毒を持っていたり、病原菌を保菌しているというわけではありません。しかし、ハエやゴキブリを「媒介」として、人間の健康が集団的に害される可能性があるのです。
ハエには動物・植物の死骸から栄養を摂取する食性があり、細菌などがハエの体に付着し、その体で私たち人間の口にするものへ付着すれば、ハエを媒介して私たちは細菌を体内に摂取してしまうことになります。
これはゴキブリにも同じことが言え、いくら清潔にしていたとしても、私たち人間の食料や食器に害虫が触れていたら、間接的に不衛生なものを口にすることになってしまうのです。
このように、ハエやゴキブリはサルモネラやコレラなどの菌を運ぶ「衛生害虫」は、食中毒の恐れや思わぬ疾病につながる原因にもなるので、早めの駆除が必要となります。
また害獣として有名なねずみは、家や配線、時には人間にも噛みつき、人体に影響のある菌や病気を運んでくる可能性がある危険な害獣です。
実際にねずみにかじられた電気配線がショートしたことが原因で、全国で何件も火災が発生していたり、ねずみに噛まれて感染した病気が重症化するケースも報告されています。
今は被害にあっていない状態でも、近い将来に害虫・害獣によって家や体に問題が発生する可能性は十分にありえるのです。
1.2. 害虫・害獣の発生しない家づくり
できることなら、家の中で害虫・害獣なんて目にしたくはありませんよね?
ここでは、一般家庭でも取り組みやすい害虫・害獣防止・駆除策についてお伝えしたいと思います。
まず害虫たちにとるべき「最初の対策」は、餌を絶つことです。
害虫は雑食性のため、色々なものを食べます。例えば人間の髪の毛、ほこり、ダニの死骸など、ほとんど何でも食べると言っていいでしょう。
特に好きなものは油や砂糖、澱粉などで、好物の取れる餌場には通います。つまり、餌の豊富な台所は特に清潔にしておかなければなりません。
空き缶などは水で流して、洗い物も簡単に水で流しておき、生ごみは三角コーナーに貯めっぱなしにせず、蓋付きのゴミ箱に小まめに捨てるのが良いでしょう。
そして、害虫の好きな髪の毛やほこりなどが落ちていないように、掃除機はしっかり掛けることが大切です。
「最初の対策」と言っても本当に当然のことで、改めて言うほどのことでもないように思えてしまうのですが、こうした清潔さの徹底が非常に重要です。
また、ねずみなどの害獣の場合、害獣を受け入れない環境づくりがポイントとなります。
大きくわけて、下記3点に気をつけてみてください。
- 台所の食材などを、匂いの漏れにくい容器で保管する。
- 巣をつくる材料になる布、紙、ビニル類などをねずみに与えないために整理整頓する。
- 外部からのねずみの侵入や、建物内部での移動を防ぐために、壁の穴や、壁と配管の隙間、扉の周辺などねずみが侵入できそうな隙間を塞ぐ。
このように、ねずみ対策としては「侵入させないことが重要」となってきます。
当たり前に思える事ばかりかもしれませんが、小さなことでも意識していくことで害虫・害獣を防ぐことにつながるのです。
1.3. 害虫・害獣が発生してしまったらまず行うべきこと
どんなに対策をしていたとしても、害虫・害獣が発生してしまう可能性があります。
たとえばゴキブリの大嫌いなあなたが、家の中でゴキブリに出くわしてしまったとしたら、どのように対処するでしょうか。
「見なかったふりをする」というのは置いておいて、駆除する際にはどのような手段で駆除をしますか?
新聞紙を丸めて叩く、という方も多くいらっしゃることかとは思いますが、本当にゴキブリが大嫌いな方にはなかなかハードルの高い手段かもしれません。
そんな時便利なのが、殺虫剤ですね。スプレータイプのものであれば、ゴキブリに接近することなく駆除ができます。
「殺虫剤による駆除」には一長一短ございまして、先程挙げたようなメリットの一方で、うまく駆除できずに逃がしてしまうと、一転、使用した殺虫剤に対する抗体を得る機会を与えてしまうことがあります。
そして、その「抗体」を持ったゴキブリの子孫は「耐性」を持って生まれてくるため、その子孫にも以前使用していた殺虫剤が効かなくなる恐れがあります。(1.3.2で紹介します)
そんな中、殺虫剤とは違うのですが、一風変わった「対ゴキブリ用スプレー剤」も出ています。
「凍止スプレー」といって、氷点下の冷気を当てることでゴキブリの動きを止めることのできるスプレーがあるのですが、ご存知でしょうか?
ただ、これは「凍死」ではなく「凍止」ですので、動きを止めるだけであって、その後は別の手段で仕留めなければなりません。
駆除の手段にも、色々と課題があるのです。
だからこそ、そもそも発生させない「防除」が重要になってくると言えるのです。
1.3.1 害虫駆除業者の選び方
さて、害虫の被害を読んでいただいたところで、「いやあ…自分でやるのは無理だ…」と感じられる方も多いかと思います。
後に、自分でできる害虫・害獣駆除についても紹介しますが、手っ取り早く、かつ、確実性が高いのは、私たちのような害虫・害獣駆除業者に駆除を依頼することです。
もちろん現場と作業内容にもよりますが、滅茶滅茶な高額請求は一般的にありえません。
1円も支払いたくないという場合は、害虫は勝手に消えていなくなることはないので、ご自分で何とかしていただくほかありません。
そうでない場合は、まずは無料見積もりなどを活用して、確実性の高いプロに現場を見せることをおすすめします。
業者を探す時に便利な、「害虫駆除業者一括見積もりサイト」「害虫駆除業者比較サイト」なるサイトも多く世に存在しています。
先に、こういったサイトの存在意義について簡単にお伝えしたいと思います。
こういったいわゆる「一括比較サイト」は総称して「ポータルサイト」と言われ、害虫業者が作っているのではなく、インターネット系の会社が運営しているメディアであることが多いです。
お客さんにとっては統一されたフォーマットで、複数の業者の情報を閲覧できるため、非常に便利な仕組みなわけです。
ただ、そうは言ってもメディア運営企業も、慈善事業でやってくれているわけでは当然なく、広告料を収益源としています。
つまり、あらゆる情報を「第三者目線の情報だ」と思って鵜呑みしてしまうのは危険です。
とは言え、何よりも「価格の安さ」を重視したい方であれば、複数業者から見積もりを取って最も安かったところに依頼を検討すればよいわけですね。
他にも、こういったサイトに広告掲載している業者さんたちは仕事の依頼も多いでしょうから、その分経験も多いかもしれません。
(アイリスはこういった情報サイトに一切掲載していないので、情報サイトから問い合わせが来る→仕事が増える→経験が増えて仕事の質が上がる、という成長の過程が本当にあるのかは分かりませんが。)
1.3.2. 害虫駆除業者に頼むべきか?
ではここで一度、「本当に害虫駆除に頼むべきなのか」「自分で駆除できるのではないか」といった議論に立ち返っていきましょう。
先に伝えると、自分だと慣れていないと上手くできないことも多く、結果として「害虫駆除をしたつもり」になってしまうこともあるというのが大きなデメリットです。
自分で駆除作業を行う場合のメリットは、費用が掛からないことでしょうか。
ただ、様々な道具が必要になるので、道具や材料を揃えるための費用がかかります。
一方で、プロの外注駆除業者に依頼することを強くすすめる場合がございます。
たとえばゴキブリ駆除を例にお話してみましょう。
皆さんは「スーパーゴキブリ」と呼ばれるゴキブリがいるのはご存知ですか?
スーパーゴキブリは、毒餌や駆除剤に対して耐性を持ったゴキブリのことを言います。
これらは1990年代から見られるようになりました。50年の月日を経て耐性を得たゴキブリが生まれたとされています。
毒餌や駆除剤が効きませんので、ご家庭でできる駆除法としては「叩き潰す」などになりますね。
また、ホウ酸団子で駆除することも可能です。
ホウ酸は「ゴキブリだけ」に効くのではなく、致死量を越えればどの生物にも害を与えることができます。つまり、赤ちゃんやペットがいるご家庭では誤飲による被害のの可能性があるということです。
安全で確実に駆除する方法は、やはり業者への依頼です。
各社方法に違いはありますが、一般では手に入らない薬剤を使い駆除を行います。弊社では、3パターンの方法を組み合わせて駆除をし、かつ再発生をも防ぐ効果があります。
1匹2匹ならいいのですが、駆除しても出てくる場合には業者に頼んでしまうのが良いでしょう。
2.ねずみ駆除
2.1ねずみによる主な被害
害獣として代表的な動物といえば、ねずみです。
東京都だけでも毎年1万件以上のねずみ被害の相談が寄せられており、ねずみに頭を悩ませている人は意外と多いのです。
では、ねずみによってどのような被害を受けるのか?
第一に、ねずみが「かじる」ことによって物理的に被害を受けるケースです。
ねずみは生きている間ずっと歯が伸び続ける生き物です。
そのため、固い物を噛んで歯を削るという特性を持っています。
具体的には、電話やパソコンの配線などがかじられるケースが多いです。
コードがかじられることで使い物にならなくなることも問題ですが、電気配線がショートしてしまい、そこから火事など重大な事故につながってしまうケースもあります。
第二に、建物自体がかじられてしまうケースもあります。
ねずみは屋根裏や床下といった暗いところを中心に暮らしていて、巣を作るために穴を開けることがあります。
第三に、何でもかじって開けてしまいダンボールに保管しておいた食品でさえも穴を開けて食べてしまうことがあります。
こちらについても物理的被害ではありますが、衛生面での被害が懸念となります。
少しだけかじられてしまっている場合でも、衛生的に良くないので廃棄しなければいけません。
ねずみは不衛生な場所にいることで体に様々な病原菌を持っていると言われています。
少し詳しく説明すると、ねずみが持つ病原菌やウイルスの中で、人体への被害において最も危険だとされる「ハンタウイルス」という病原菌があります。
ハンタウイルスは主にねずみなどのげっ歯類が持っているウイルスで、人への感染も認められています。
このウイルスは、げっ歯類の糞尿が人間の傷口や粘膜に直接触れてしまったり、そのような排泄物を含んでしまったほこりを人間が吸い込んでしまうことで感染してしまう可能性があります。
ハンタウイルス感染の致死率は40%に及ぶとされており、ハンタウイルスの危険性の高さは、その致死率に認められます。
ハンタウイルスに対して効果のある治療法はまだ発見されておらず、絶対に感染してはならないため、非常に危険です。
このような被害にあわないためにも、予防や駆除はとても大切になってきます。
ねずみにとって住み着きやすい環境を作らないためにも、食べ物をそのまま放置しないことや食品は缶などに保管したり、服などもプラスチックケースに収納したりするなど予防を徹底するようにしましょう。
2.2ねずみ被害の主な特定方法
ねずみの被害を特定するためにまず必要なことは、ねずみの居場所を特定することです。
これは必ずしも「棲家」であるとは限りません。
「餌場」「遊び場」「通り道」などの可能性もあり、巣が無いケースも多いです。
ねずみの居場所と聞いて想像するのは、天井裏などが一般的な所かと思いますが、壁の中や押し入れなど人目に付かない安全なところは全てねずみが好む場所です。
ではどのようにすればねずみの居場所を特定し、被害をきちんと把握することができるのか。
まず、ねずみ被害を受けたときチェックしておくべき重要な「ラットサイン」と呼ばれるものがあります。
ラットサインは「ねずみが侵入したであろう痕跡」のことを言い、既に侵入されている場合にも更なる被害を受けないためには、このラットサインを参考にして防除を行わなければなりません。
主なラットサインは、
-
家具、壁、天井、床などに残る不自然な黒い汚れ
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かじられた跡
-
4~10mm程の黒いフンや尿跡
などがあります。
これらラットサインを証拠として、侵入口となってしまっている「穴」を塞いでいきましょう。
子供のねずみであれば1.5cm程の隙間(ハツカねずみの場合は、7mmほどの隙間)があれば入り込めますので、「完全にふさぐ」ということを徹底しなければ防除・駆除の効果は格段に落ちます。
侵入経路を完全に断ち、限られたエリアの中でねずみに有効な駆除を行うことで、しっかり駆除を完了できるのです。
ねずみ被害にあった際は、駆除の基本であり最重要である「侵入経路の遮断」を行い、穴という穴は全て塞ぐことを徹底しましょう。
2.3ねずみ駆除業者の主な作業工程
ねずみ駆除の基本は「穴という穴を塞ぐこと」です。
つまり、ねずみ駆除業者の仕事もシンプルに言えば「穴を塞ぐこと」が主となります。
ただ、そうは言っても一筋縄にいかないことが多いです。
穴を塞ぐためにねずみ駆除業者は木工、板金、塗装、左官と幅広くこなします。
またその「穴」はどういうところにできやすく、どういうところからねずみの被害は始まるのかといった知識が、ねずみ駆除業者には求められます。
例えば、ねずみが侵入しやすい換気口隙間はステンレス製の金網やアルミ製のパンチングメタルで遮断したり、エアコンの配管引込口や雨水配管周りには、防鼠ゴム粘土の取り付けを行ったり、仕上げには毒餌を設置したりと、侵入経路別に様々な遮断工事を行います。
ほんの少しの隙間も念入りに塞いでねずみの被害を止め、再発しないようにアフターケアやチェックを行い、現場の状況に柔軟に応じた対策をしています。
2.4ねずみ被害の事例
今回は実際にねずみ被害に遭ったお客様の事例をいくつかご紹介させて頂きます。
ねずみの被害にお悩みの方も参考までにご一読ください。
【足立区のS様のねずみ駆除事例】
このお宅では、「床下換気口」「給湯配管周り」「エアコン冷媒管周り」など、何箇所もねずみの侵入口が存在し、ねずみが屋根裏で走り回るという被害を受けていました。
また上記の箇所の他にも、「雨戸の戸袋部分」が侵入口として使われていたので、雨戸を引き出す時だけ開けられるような木製の扉を雨戸の出入り口に取り付ける工事を行いました。雨戸の戸袋が侵入口となってしまっているケースではこのように対処しています。
雨戸の扉の隙間を塞ぎ、床下、1階天井裏、2階天井裏、屋外に毒餌を設置したところ、建物内に設置した毒餌は食べられることなく、無事に「遮断」によってねずみを駆除できました。
【板橋区のR社のねずみ駆除事例】
食品配送センター業者様からのご依頼で、社内にねずみが棲み付いており、配送用の食品に被害が出るとのことで、ビジネスに影響する実害が出ていました。
実際に現場に伺ってみると、建物はつぎはぎだらけの外壁で、深刻な所では外から内壁が見えてしまっていたのです。
まず遮断電気配線周りの隙間は坊鼠粘土にて遮断し、洗い場周りの腐敗した壁は大判のステンレス板を前面に取り付け、遮断しました。
そして、大型冷蔵庫の冷媒管が突き抜けてしまった壁部分は、配管周りを大きな金属板にて補強工事を行いました。そして一通り侵入経路の遮断工事を行った後、毒餌を設置しました。
この現場では、タイミング良くねずみが室内にいない時に遮断工事を行なえたようで、その後毒餌の喫食はなく、ねずみを排除することができました。
【豊島区のU様のねずみ駆除事例】
建物床下の土面に穴を掘ったドブネズミが床下から侵入するという被害を受けていました。
基礎内を点検すると、トイレ下地面に大きな穴が掘られていたので、排水管に沿って穴を掘ってきたものと考えられました。
なのでこの穴に石を詰めて、表面に土をかぶせ、念入りに土を叩く作業を行いました。(転圧という作業です)
そもそも周りがすべて「土」なので、隣に新しく穴を開けられてしまえばそれまでなのですが、幸いこの現場は、これによって侵入が止まり、被害を止めることができました。
いかがですか?
上記のように様々な事例が存在しますが、家の構造やねずみの種類、被害状況によって行う対策は異なります。
もし被害を受けているかもしれないと感じたら、早めのご相談や調査の依頼をおすすめします。
2.5自分でできるねずみ駆除・防除
この項では、一般家庭でも取り組みやすいねずみ防止・駆除策についてお伝えしたいと思います。
まずねずみの駆除・防除を成功させるためには、ねずみの行動パターンなど、ねずみについて理解がある程度深まっているという前提が必要です。(このページの上部にねずみ被害に対抗するためのポイントを掲載していますのでご一読ください)
ねずみについて理解した上で、市販のツールを使ってご自分で駆除・防除されることを前提とした場合のポイントをお教えいたします。
【自分でできるねずみ駆除・防除のポイント】
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ねずみの侵入口を塞ぐ
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室内環境の整頓
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ねずみの餌となる食べ物の管理
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ねずみ捕りで捕獲
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毒エサで弱体化
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忌避剤で寄せ付けない
ねずみの侵入経路を断つということはねずみ駆除の基本であり最も重要なことです。
「穴という穴を全て塞ぐ」ことで、ねずみ被害を根本から断ち切ることに繋がります。
室内環境の整頓やねずみの餌となる食べ物の管理は、「そんなことで本当に改善されるの?」と感じられるかもしれませんが、とても大事です。
荷物が多く散乱していると、ねずみが隠れる場所、巣を作る場所をたくさん与えているようなものです。
また見落としがちなところで言えば、室内犬(猫)のために「エサと水」を常にお皿に出している人もいらっしゃいますが、これではねずみに餌を与えているようなものです。その場合タッパーなど匂いの漏れにくい容器に保管しましよう。
ねずみにとって住みやすい環境を作らないためにも、食べ物をそのまま放置しないことや食品は缶などに保管したり、服などもプラスチック製のボックスに収納したりするなど予防策を行うようにしましょう。
自分でできる範囲の駆除・防除はとても大切ですが、被害が想像以上に大きかったり、個人で手に負えない場合は、早めに専門の害虫害獣駆除業者に依頼することをおすすめします。
3.ゴキブリ駆除
3.1 ゴキブリによる主な被害
ゴキブリは、見た瞬間に「怖い」や「気持ち悪い」と思う人の多い、典型的な害虫です。
しかし、ゴキブリは毒を持っているわけではありませんし、病原菌を保菌しているというわけでもありません。
「それなら大きな被害はないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はゴキブリを「媒介」として、人間の健康が集団的に害される可能性があるのです。
ゴキブリは髪の毛やペットの排泄物なども栄養として摂取する食性があります。つまり、ゴミや動物などの糞便に飛び付いて「食事」をしているのです。
そんなゴキブリがもしも私たち人間の食料や食器に触れ、気付かずそのまま利用したら、ゴキブリを媒介して私たちは細菌を体内に摂取してしまうことになります。
ゴキブリは赤痢などの細菌、肺炎などの真菌、コレラ菌、食中毒の原因になるサルモネラ菌など、数多くの細菌を運ぶことでも有名な「衛生害虫」です。
このように身近な害虫を放っておくと、思わぬ疾病につながることになってしまいますので、早めの駆除が必要となるのです。
ゴキブリは「衛生害虫」だということを理解し、早めの駆除が必要だということを認識しておきましょう。
3.2 ゴキブリ被害の主な特定方法
ゴキブリの被害を特定するには、まずゴキブリが好む環境条件を知ることが大切です。
ゴキブリは、暖かくて、暗くてジメジメした場所を好んで棲息するのはご存知ですか?
室内で言えば冷蔵庫の裏や、段ボールやベニヤ板で出来た部分、またこれらを収納している倉庫などが条件を満たしやすくなっています。
なかなか掃除を行き届かせるのが難しいですが、こういった場所をしっかりと清潔に保つことがゴキブリ被害の対策にはとても有効です。
また、「ゴキブリの棲家を突き止めれば、効率的に被害を把握できるのでは?」と思うかもしれませんが、ゴキブリには明確な「巣」というものはありません。
ただし、ふんから出るフェロモンをたよりにゴキブリの仲間は集まってきます。
そのふんの在り処をどうやって見つけるかというと、これはなかなか難しいのが事実です。
というのも、ゴキブリのふんは約0.5~2mmなのですが、これらを一見してゴキブリのふんだと判別するにはあまりに小さすぎます。
ゴキブリのふんにはごくわずかですが独特の悪臭があるため、匂いを嗅いでゴキブリのふんと判断することも不可能ではないのですが、ふんには素手で触ると食中毒の原因になるサルモネラ菌などが含まれているので気をつけましょう。
このような点からも、先程挙げたような「ゴキブリの好む場所」を重点的に掃き掃除し、よく換気をすることが被害の特定に繋がるのです。
清潔に保つことを意識し、気になる箇所は一度重点的にチェックしてみて下さい。
3.3 ゴキブリ駆除業者の主な作業工程
ゴキブリを安全で確実に駆除する方法としては、業者への依頼するのが一番です。
各社方法に違いはありますが、今回はアイリスの具体的な駆除作業の工程を説明します。
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養生作業・・・厨房の食器、調理器具をポリシートで完全に養生し、換気扇や給排気口、ドアー等のすき間を完全に密封する作業。これは空間処理の効果を上げ、また使用する薬品の食器等への付着を防ぐ。
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残留噴霧処理・・・ゴキブリに直接薬品を吹きかけて駆除したり、生息場所・通り道などに薬剤を噴霧することにより、液剤が乾いた後も一定期間の防除効果を得ることができる。使用する薬品は長期間効果が持続する厚生労働省の定めたVOC対策品。
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間隙処理(追い出し作業)・・・クラックやクレバス、食洗機や冷蔵庫のモーター周辺などの、空間処理剤が届きにくい場所に、即効性のあるd-d-Tシフェノトリン水性乳剤を「アクチゾール機」の細かいミストで、強制的に噴霧(注入)する。
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空間処理・・・室内を密封に近い状態にし、高濃度の薬品を少量、微粒子にして空間に噴霧する方法。
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ベート剤処理・・・ベート剤(食毒剤)の塗布は、生き残った成虫と、至る所に放出された卵から30日以内に孵化して来る幼虫を駆除するために行う。
このように効果的な駆除方法を組み合わせ、ゴキブリ被害の再発を予防します。
一般では手に入らない薬剤を使い駆除を行うことが可能なので、一般的な毒餌や駆除剤に対して耐性を持ったゴキブリなどにも効果的です。
また、アイリスでは「年間管理契約」により、ゴキブリの防除作業を年間3~4回実施し、年間を通してゴキブリのいないクリーンな環境を保証しています。
ゴキブリの発生に気を使う飲食店はもちろん、オフィス、ご家庭、医療施設での駆除実績もございますので、ゴキブリにお困りの方は一度ご相談ください。
3.4 ゴキブリ被害の事例
人が住むところであれば、ゴキブリどこでも侵入し、繁殖します。
では実際にどのような場所に発生するのか?またどのように対処すればよいのか?
今回は、いくつかの事例とその対処法を紹介します。
【キッチン】
湿気が多く、なんといっても食べ物(エサ)が豊富なキッチンは、ゴキブリの温床になりかねません。
また、ゴキブリの侵入路としてもっとも多いのが、実はキッチンのシンク下。
シンクの構造は配管が通って複雑であるだけでなく、意外と隙間も多いため、高価なシステムキッチンを使っている家庭でも実際にゴキブリが侵入してしまったケースなどがあります。
シンクは水を使う場所であり、毎日の調理で食品くずなどが発生する場所です。基本的なことですが、コンロやシンクを清潔に保ち、ゴキブリが侵入しそうな隙間がないか入念なチェックを行い、侵入路をふさいでおきましょう。小まめな掃除がゴキブリ駆除には重要なポイントになります。
【段ボール】
温かく、そして隙間などもあるので、段ボールはゴキブリが好んで棲む場所と言えます。また厄介なことに、メスの場合はその場に卵を産むこともあるのです。
実際に着ない服や雑誌などをダンボールに入れ、何年も保管していたら、その中にゴキブリが棲みついていたケースもあります。
ネットで買い物をする人も増えたので、宅急便で梱包用のダンボ―が届くこともあると思いますが、中身を出したらすぐに捨てるようにしましょう。また雨などに濡れて湿ったダンボールは、さらにゴキブリにとって好条件になってしまうので、絶対に置かないように注意してください。
【観葉植物】
植木鉢には受け皿などに溜まった水分があり、さらに卵を産みつける場所として「土の部分」は好都合とされています。土入りの植木鉢を買った時に、すでに土の中に卵があり家の中にゴキブリが発生してしまったなどのケースも実際にあるのです。
観葉植物は室内はもちろん、ベランダや庭にもなるべく置かない方がよいでしょう。ただしペパーミントやハッカなどのハーブの香りにはゴキブリを近づけない忌避効果がありますので、育ててみるのも良いかもしれません。
ゴキブリを発生させないためにも、ゴキブリが住み着きにくい清潔な環境づくりを行い、日頃から対策をしておくことを意識しましょう。
3.5 自分でできるゴキブリ駆除・防除
できることならゴキブリを目にしたくありませんよね?
この項では、ゴキブリをできるだけ目にしないための基本対策についてご紹介したいと思います。
以前、ゴキブリは暗くてジメジメした場所(室内で言えば冷蔵庫の裏など)を好んで棲息するとお伝えしました。
まさに台所はゴキブリの恰好の餌場になる可能性が高い場所になっているのです。
そこで、私たちのできる対策は、ゴキブリにとっての「餌を絶つ」ことです。
ゴキブリは雑食性のため、色々な物を食べます。例えば人間の髪の毛、ほこり、ダニの死骸など、ほとんど何でも食べると言っていいでしょう。
特に好きなものは油や砂糖、澱粉などで、好物の取れる餌場には通うようです。
つまり、餌の豊富な台所は特に清潔にしておかなければなりません。
自分でできる対策としては、
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食品をむき出しのまま置かない
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使用済みの食器や調理器具を放置せず必ず片付ける
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生ゴミは袋の口を結んで捨てる
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ガスコンロ周りの掃除は特に入念に行う
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冷蔵庫や戸棚の裏など、手の届きにくい場所こそこまめに掃除する
などがあります。
ゴキブリが発生しにくい環境をつくれるだけでなく、ゴキブリにとってのエサをなくすことで、既に住み着いているゴキブリに食毒剤を食べさせやすくすることもできるのです。
また、台所まわりだけでなく、部屋全体の除湿や換気、掃除をこまめに行うことで防止が駆除につながっていきます。
こうして文章にすると、改めて言うほどのことでもないように思えてしまうのですが、こうした清潔さの徹底がゴキブリ対策にとって非常に重要になってくるのです。
しかし、どんなに駆除・防除をしていても、被害にあってしまうこともあります。
そんな時は自分で手がつけられなくなる前に、早めに専門の害虫害獣駆除業者に依頼することをおすすめします。
4.シロアリ駆除
4.1 シロアリによる主な被害
日本で家屋に被害を与えるシロアリの種類の中で、被害事例が多く、問題になることが多いシロアリの種類は、ヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類です。
ヤマトシロアリとイエシロアリは土の中から家屋を侵食するため、「土壌性シロアリ」と呼ばれ、家具や建具や住宅建材の乾燥した木材に営巣するアメリカカンザイシロアリは「非土壌性シロアリ」と呼ばれています。
このように住宅に被害を及ぼす代表的なシロアリたちは、それぞれどのような害をもたらすのか?
今回は、種類ごとにその違いをまとめてみました。
・ヤマトシロアリ
北海道以外の全地域に生息。
主に床下から一階に巣を作り、床下から柱にかけて被害を与える。比較的浸食のスピードは遅く、イエシロアリに比べて1集団のアリの数が少ないため、加害範囲も比較的狭い。しかし、日本のシロアリ被害の70%がヤマトシロアリの被害と言われており、侵入されないよう注意が必要。
・イエシロアリ
温暖な海沿いの地域に生息。攻撃的で、刺激を与えると口から白っぽい液体を出す。
被害のスピードは速く、家が傾くといった大きな被害はこのイエシロアリの仕業。100万匹ともいわれる集団を作り、2階や天井裏まで被害を与える。また、周囲の家屋にも被害が広がることもある危険な種類。
・アメリカカンザイシロアリ
外来種ではあるが、本土から沖縄にかけて生息。
家具や建具や住宅建材の乾燥した木材に営巣し、材木の内部を食べ、その中を移動する。材木の内部を移動するため、目で見ただけでは存在を特定することが困難。どこまでの範囲が侵されているかの判断が難しいため、完全に調べるには壁や天井を全てはがすこともある。
シロアリは私たちの見えないところで食糧である木材を求めて食いつぶしていきます。それは築年数の経った家の木材も、新築住宅の新しい木材も関係ありません。
家の基礎から、床下、柱、扉、天井裏まで、その被害は凄まじいスピードで広がっていきます。
家の 外壁から羽アリが飛翔していたら、家を徹底して点検するなど、被害を広げないための対策を考えておきましょう。
シロアリは地震、台風、火災に次ぐ第4の災害と言われます。
特にその被害は建物の外側からは発見しにくく、4~5月ごろの昼間に大量の羽アリが飛び出してくることで気が付く方がほとんどです。
その時にはすでに家屋は被害を受けており、土台から柱、壁の内部へどんどん被害を広げ、屋根の木部まで食い荒らし、放って置くと家屋が倒壊する危険もあります。
もしも下記のような症状に心当たりがある場合は、シロアリが家の中に棲みついている可能性があるので、まずはチェックしてみましょう。
・羽アリを見つけた
・浴室、キッチン、洗面所、トイレの床がぶよぶよしている
・押入れに湿気がある
・家の中がカビ臭い
・柱や壁が変色してきた
・庭の垣根がぐらつく
・近隣住居でシロアリ駆除をした家がある
・蟻道を見つけた
当てはまる項目はありましたか?
シロアリ被害は特定が難しく、気付いた時には家中の柱や木材が食い荒らされているケースも少なくありません。
少しの変化、違和感を見過ごさずに、これらの症状が何の原因で起きているのかを突き止める習慣をつけておくことで、シロアリの発生だけでなく、他の家屋の損傷にも初期の段階で気づくことが出来ます。
気になる方はまず家の中をチェックしてみましょう。
もしもシロアリが生息していた場合、早めに駆除業者に連絡することをおすすめします。
4.3 シロアリ駆除業者の主な作業工程
シロアリの防除には、土台や柱等の木材に防蟻剤を吹き付けたり、穴を開けて加圧注入したり、塗布したりする「木部処理」と、床下や家の回りの地面に薬剤を散布して染み込ませ、薬剤のバリアを作って土の中を移動してくるシロアリを近づけられないようにする「土壌処理」があります。
では具体的にどのような処理を行うのか簡単にご説明します。
・木部処理
床下の木部処理の場合、土台、柱、床束、大引き等の木材に電動ドリルで穿孔し、薬剤を加圧注入します。
木材の内部に薬剤を浸透させた後、床下全面の木部に薬剤を吹き付け処理をします。(※穴は建物の強度に影響を与えることはありません。)
また床上の木部処理の場合、浴室、洗面所、トイレ、玄関、勝手口等シロアリの被害を受け易い場所は、丁寧な処理をします。特に浴室は、(ユニットバスを除く)壁のタイルの目地に4ミリの穴を開け、薬剤が四方に拡散する特殊なノズルで壁の内部の木部に薬剤を充分に加圧注入します。
洗い場の床下は通常土で埋め戻され、その上にコンクリートスラブがあり、タイルが貼ってあります。このタイルに穿孔し、タイルの下の土中に薬剤を加圧注入します。穿孔した穴は木栓を詰め、防水処理をして、表面にはセメントを詰めます。玄関なども状況により同様の処理をします。
・土壌処理
床下の基礎の内側、束石の周囲、水回り部分は特に丁寧に処理します。幅20~30㎝の帯状に薬剤散布をし、また床下土壌全面に薄く面状に散布します。家の外周のコンクリート基礎まわりにも、幅20~30㎝の帯状散布をし、再度侵入されないようバリアをします。
また風通しの悪い床下は、シロアリが住み着き易くなります。またカビが繁殖し、腐れが進行して、歩くと床がふわふわして、柱や束が沈下して、雨戸や襖の立て付けが悪くなってきます。
こうした場合、お客様のご要望により、床下補強工事、調湿剤敷設工事、床下換気扇設置工事なども行っております。
当社で使用する薬剤は、居住者の安全をテーマに開発されたシロアリ駆除剤を使用しています。
室内空気汚染の心配がなく、シロアリ防除薬剤として防蟻、防腐、防虫、優れた安全性と効力持続性、超低臭性、耐アルカリ性、非忌避性を供えております。
安全かつ確実にシロアリを駆除するためにも、被害にあった際は早めに専門業者にご相談下さい。
4.4 シロアリ被害の事例
シロアリの被害にもさまざまなケースがあり、住宅によって被害内容も変わってきます。
皆さんは「蟻道」というものをご存じでしょうか?
シロアリは体が弱いため、光や乾燥を嫌います。そのため、普段生活する地中から、餌となる木材に辿り着くまでも、土や糞でトンネルを作ってその中を移動します。これを「蟻道」と呼んでいます。
湿らせるための水を運ぶのも、この蟻道の中を通っています。
実際に、2階の部屋で羽アリが発生したのでその住宅を調べてみると、1階の浴室から壁をつたってシロアリが移動していたというケースが報告されています。このように「蟻道」を使って行動範囲を広げていくことで、被害が拡大してしまうこともあります。
またよくある質問で、「この家の床下はコンクリートだけど防蟻工事が必要なの?」というものがあります。
床下がコンクリートだと、シロアリが侵入しないと思われている方も多くいらっしゃるのです。
あまりご存じない方が多いのですが、実は、コンクリートを床下に敷設している本来の目的は、シロアリ対策ではなく湿気対策です。
そのため、コンクリートであっても、継目やひび割れ等で隙間が生じてしまい、コンクリートの下にある土からシロアリが侵入してきます。
実際、鉄骨の建物であっても床下で木を一切使っていないという造りは珍しく、大引きや根太は木であることがほとんどです。蟻道によって侵入したシロアリが、その上の床材(フローリングや畳)や壁に直接被害を与えるケースも報告されています。
シロアリは、隙間が0.6ミリあればシロアリは侵入することが可能で、場合によっては隙間を少しずつ広げる事もします。そして、一度棲みつかれてしまうと、自然にいなくなることは、ほぼありません。
家の外壁から羽アリが飛んでいるところを見かけたら、シロアリが潜んでいる可能性があります。逆に言えば、羽アリとして目にする以外はシロアリが一般に姿を見せることはほぼありません。
しかしシロアリが棲んでいるかどうかを一般の人が見極めるのは至難です。
まずは定期的に業者に点検を依頼することをおすすめします。
4.5 自分でできるシロアリ駆除・防除
シロアリは、最初から皆さんの家を狙ってやってくるわけではありません。エサとなる木材を探しながら、やがて皆さんの家にたどり着くのです。
被害にあわないためにも、日頃からシロアリを寄せ付けない家づくりをしておく必要があります。
この章では、ご自身でも実践できる簡単なシロアリ対策をご紹介したいと思います。
・敷地内に枯れた木材を置かない
家の周囲や庭に不要な木材が置いてある場合は処分しましょう。なぜならその木材がシロアリの温床となり、巣を作る危険があるからです。特に雨が続いた後の木材は湿気を含んでいるため、シロアリにとって絶好のエサとなってしまします。
・基礎部分に日が当たるようにする
シロアリは日陰や湿気のある場所を好みます。
床下の換気を行う「換気口」や、家の周囲にプランターや植木を置かないようにしましょう。
植木やプランターなどに水を与えることで湿度が高くなり、シロアリが生活しやすい環境をつくってしまいます。
・室内に湿気がたまらないようにする
シロアリは湿気の多い環境を好んで棲み着く習性があります。そのため、家に湿気を溜めないことがシロアリの予防の基本中の基本です。たとえば、お風呂場の換気を徹底したり、掃除をする時などには全ての窓を開けて風通しをすると良いでしょう。
最近ではホームセンターやインターネット通販で、専用のキットを手軽に購入することも可能です。ただし、自分で駆除をしても根絶させることはほぼ不可能です。あくまで応急処置だということに留意してください。
住まいから根絶出来なければ、シロアリの被害は悪化する一方です。お金や時間の無駄遣いにもなりかねません。シロアリを家から根絶したいと考えているなら、やはりシロアリ駆除の業者に依頼するのが1番です。
被害の度合い大きかったり、ご自分で判断できなかったりする場合は、シロアリ駆除の業者に一度相談してみましょう。
5章:ダニ駆除
5.1 ダニによる主な被害
ダニは世界中に分布し、乾燥地だろうと湿地だろうと、陸上だろうと水中だろうと、どこにでもいる衛生害虫です。特に「暖かく、湿気っている」環境を好み、梅雨のジメジメしていて蒸し暑い季節はダニが活発に活動します。
最近の一般住宅は気密性が高く造られているため、しっかり換気をしないと湿気が溜まり、ダニの棲みかにされてしまうケースがあるので、注意が必要です。
家に生息するダニは数種類いて、人間を刺すダニも、刺さないダニも存在しますが、どちらも人間に害をもたらす可能性があります。
人間を刺す「ツメダニ」に一度刺されれば、激しいかゆみが1週間は続き、刺された痕も赤くなってすぐには消えません。
また基本的に人間を刺さない「ヒョウダニ」は、ハウスダストとなった人間のフケやアカを餌としており、埃と一緒にヒョウダニを体内に吸い込んでしまうと、アレルギー反応を示す場合があります。
すべての害虫対策に言えることかもしれませんが、掃除を丁寧に行って、室内環境を清潔に保つことが一番の“予防”だと言えます。
なるべく埃をためないようにして、後はこまめに換気をしましょう。それさえやっていれば、少なくとも「ダニが好む環境」ではなくなるので、ダニに棲みつかれにくい家をつくることができると言っていいでしょう。
被害にあわないためにも、出来る防除から始めてみて下さい。
5.2ダニ被害の主な特定方法
家の中には様々な種類のダニが生息していますが、主にハウスダストアレルギーや喘息の原因となると言われているのは、ヒョウヒダニ(チリダニ)という種類のダニです。
このヒョウヒダニは実際に人を刺すなど人体に直接的な影響はありません。
しかし、このダニの死骸や糞の残骸などを吸い込んだ際に気管支に炎症が起こり、これによってぜんそくやアトピー性皮膚炎を含むアレルギー反応を起こす人が多いのです。
しかし体が小さく、肉眼ではほとんど見ることができないので気が付きにくいのも特徴です。
また、人を刺すツメダニは、ヒョウヒダニ(チリダニ)を捕食するダニですので、ヒョウヒダニが増えることによって人体に影響を与えるダニが増える原因ともなっています。
「家にダニが居るのかな?」と不安になった時、すぐに害虫駆除業者に駆け込むのではなく、まずは病院で検査を受け、ダニが原因であることを特定されることをお勧めします。
ひどい咳や、皮膚にできた赤い蕁麻疹などは、ダニによる被害でなくても似た症状が起きることがありますので、不必要に薬剤を撒くのはかえって健康に良くない場合があるからです。
まずはあせらずに医師に相談し、ダニによる症状だと診断されてから害虫駆除業者などに連絡するようにしましょう。
5.3ダニ駆除業者の主な作業工程
ダニ駆除は、駆除する場所によって使用する薬品や駆除(薬剤散布)の方法が分かれます。
・畳(表面)、カーペット、寝具
フェノトリン(溶剤=エタノール)の駆除剤をミスト機で散布
・畳(裏面)
ピレスロイド系油剤、プロボクスル油剤を噴霧器で散布
・床(木質系、塩ビ系)
フェノトリン(溶剤=エタノール)またはピレスロイド系油剤を散布
・空間処理による駆除
居間・寝室・事務室等は薬剤のULV(濃厚少量散布)処理を行う
・天井裏
フェノトリン(溶剤=エタノール)、薬剤のULV(濃厚少量散布)処理を行う
このように様々な薬剤散布の方法を使い分けてダニ駆除を行ってます。
またアイリスでは、ダニを忌避する『縄張り棒』などの防ダニグッズも販売しています。
遠赤外線によりダニの繁殖を抑制し、ふとんやベッド、室内に生息するダニを駆除します。身体と環境にやさしく、薬品を全く使用しない唯一のダニ駆除材で、あらゆる場所で安全にダニを駆除することが可能になります。
最近では市販のダニ予防薬品が多数販売されていますが、ご自身で畳みやカーペツト等のダニ駆除をする場合は、絶対に乳剤(水で希釈する殺虫剤)を使用しないでください。
散布したその時は効果が出ても、水分が残ってしまうので、後日ダニが逆に大繁殖してしまいます。使用する薬品は良く確かめてから使用してください。
また、一定時間空間に薬剤を充満させるタイプの薬剤が、市販されていますが、一般の住宅では高い効果は望めない事が多いです。
市販薬剤にたくさん費用をかける前に、まずはプロにご相談下さい。
5.4ダニ被害の事例
ここでは、東京都墨田区でのダニ駆除の事例を基に、駆除作業の内容をご説明したいと思います。
畳のお部屋が多い一般邸宅からのご依頼で、ダニによると思われる不快感があるとのことで、ご相談をいただきました。
不快に感じる、といった被害状況ですと発生していたダニはコナダニやヒョウヒダニの類であると予想できます。どこにでもいるダニで、不快に感じる以外の実害は特にありません。
ただ、高温多湿などのダニにとって好ましい一定条件が揃うと大量に発生してしまいます。
そして、この大量発生したダニを捕食するツメダニ類がやっかいです。
ツメダニ類は吸血をしないのですが、人間を刺して体液を吸うことがあります。皮膚かぶれなどを起こす刺咬症の主な原因となっており、このような状況を招く前にダニ対策は行っておくべきだと言えます。
今回のお宅は、前年に床下換気口から猫に侵入されたことから換気口を塞いでいたため、床下に湿気が溜まってダニが発生したと思われます。
そこでステンレス製の金網を取り付けて、猫の侵入防止と、空気の循環を行えるよう対策を施しました。
駆除は室内のほとんど全ての場所に駆除剤を噴霧しました。
布団類は一枚一枚、アルコール系の駆除剤を、畳には油剤(キシレン)系の駆除剤を撒いて駆除を行いました。
畳の表面はもちろん、できるだけ家具を動かし畳を持ち上げて、裏面と床地板に駆除剤を散布しまして、畳の内部には20~30cm間隔で注射針を刺して駆除剤を注入しました。
これらの工事で、ほとんどダニは死滅します。
ですが、ダニにとっての好条件が揃えば再発生はあり得ますので、除湿、こまめな掃除、換気などは常に心がけておくことをお奨めいたします。
除湿はエアコンで簡単に行えますので、屋内の環境に気を配ってみてください。
5.5自分でできるダニ駆除・防除
まず、ダニの発生する原因ですが、大きく4要素あります。
- ねずみが家の中に持ち込む
- 鳥が家に持ち込む
- 人間が持ち込む
- 自宅内の環境により発生する
1や2が原因と思われる場合には、その対象を駆除しなければ改善は見込めません。
3の場合の多くは、勤務先など毎日出掛ける場所が1,2のような環境になっている場合が多いです。
そう思われる場合には、衣服を浴室で脱ぐなどして、被害を家に持ち込まないようにすると良いです。
また脱いだ衣服の洗濯は、60度以上の湯に3分程度浸けてから洗濯するとダニ駆除に効果的です。
なぜ熱に弱いのかというと、ダニの体を構成するタンパク質が熱変性(物質の性質が加熱により変化すること)するためです。
基本的にダニは50℃の熱で20~30分で死滅、60℃の熱で2~3分で死滅するといわれています。
4の場合は、室内が多湿な環境になってしまっていることが考えられます。
昨今の住宅は気密性が非常に高く造られているため、意識的に換気をしないと湿気が溜まる一方になってしまいます。
このように、屋内に発生したダニが、生活に条件の良い寝具などに棲み付き、繁殖してしまいます。
なので、根本の原因を潰していくことが大切なのです。 ここを改善できなければ、何度も何度も再発生してしまいます。
ダニをこれ以上発生させないようにするには、とにかくダニが住みにくい環境を作ることが重要です。
換気や掃除を小まめに行い、布団などはしっかり干して乾燥させるなど、身近なところから環境改善に努めてみてください。
6.その他の害虫駆除
6.1 蚊の駆除
蚊は衛生害虫の中に分類される「有害・不快害虫」ではなく、昨今報道でも聞くようになったデング熱などの被害があるように、衛生害虫の中の「媒介害虫」に属します。
デング熱は東南アジア周辺および南半球地域での発生事例が主ですが、日本においても2014年に国内で感染が確認され、社会問題になったのは記憶に新しいですよね。
「羽音や刺された後のかゆみが不快」というだけでは済まされない時代になりつつあるというのが事実です。
まずは蚊の習性を理解し、しっかりとした対策をしていきましょう。
蚊は人間や動物から出る二酸化炭素や体温と湿度などを参考にして吸血するターゲットを決めています。
そのため肥満体形で体温が高く、汗をよくかく人は蚊が反応するための「情報量」が多いので、蚊が寄ってきやすいと言われています。
同じような理由で、妊娠中の人や子供、飲酒後の人は体温が高いため、蚊にターゲットにされやすいということです。
また、蚊の色覚はモノクロで、特に濃い色を好むため、色白の人に比べて色黒の人の方が蚊に刺されやすいとも言われています。これは服にも同じことが言え、黒い服を着ている人の方が蚊に刺されやすい傾向にあるようです。
いずれにせよ、蚊に刺されないようにするためには、蚊が吸血ターゲットを決める際に参考にしているシグナルを極力なくすことが大事です。
自分でできる対策としては、市販の虫除けスプレーは非常に効果的です。露出部にまんべんなく付けてください。しかし時間とともに効果が薄れてしまうので、2時間おきを目安にスプレーすると良いでしょう。
また殺虫スプレーは即座に効果を発揮するので、蚊の多いお庭やご家庭に適しています。
網戸に吹きかけるタイプや、蚊に直接当てるタイプ、草木にまけるタイプなど、スプレーにも様々な種類があるので、使い分けて駆除をすることをおススメします。
かゆみや感染症に悩まされる前に、まずはできる範囲で蚊が近寄らないように対策をたてていきましょう。
6.2 ハチの駆除
都市部でも数多く生息しているハチは、マンション・戸建て住宅問わず巣を作ります。
獰猛な種類だと人間に被害を与える可能性があり、刺された場合は最悪死に至る、とても危険な虫です。
日本に生息するハチで人を刺すとされている種類は大きく分けて「スズメバチ」、「アシナガバチ」、「ミツバチ」の3種類に分けられています。
この3種類にはどのような違いがあり、どのような駆除方法があるのか簡単にご説明します。
スズメバチ
ハチの中でも危険度が高いのがスズメバチです。スズメバチは毒性が強い上に、獰猛で、巣に近づくと大群で攻撃してくることがあります。
スズメバチに刺されて死亡する事故が多いのは周知の事実です。ほとんどの場合、過剰な免疫反応を引き起こしています。これは「アレルギー性ショック死」であり、別名「アナフィラキシーショック」と呼ばれています。蜂に刺されて死亡した事故は大体がこの「ショック死」によるものです。嘔吐や呼吸困難、眩暈、顔面蒼白等の症状が出て、最悪の場合は死に至ります。
スズメバチの駆除を個人で行うのは大変危険ですので、知識と経験のあるスズメバチ駆除のプロの駆除業者に頼むのが最善策といえるでしょう。
アシナガバチ
女王蜂が単体で巣作りをしている時期には、特に攻撃性はありません。しかし働き蜂が羽化すると攻撃性は増し、繁殖期である8月~10月にかけて、アシナガバチは最も興奮しやすく凶暴となります。
毒はスズメバチに比べれば弱いですが、アナフィラキシーショックにより死亡することもあります。過去にアシナガバチに刺されたことがある人は注意しなければなりませんし、蜂の毒に対してアレルギーがあるという人にとっては脅威です。
アシナガバチの駆除は、巣が小さな初期段階の間は比較的簡単に駆除が出来ますが、殺虫剤や防護服など、しっかりと準備を整えた上で巣の駆除に挑む事が大切です。
とはいえ、近づかないことが最大の防御法になりますので、危険だと感じた場合は、駆除専門の業者にお願いすることも検討して下さい。
ミツバチ
ミツバチはハチの中では最もおとなしい種類で、自分から人を攻撃することはめったにありません。近づいたり刺激さえしなければ共存可能な種類ではあります。
しかし、知らないうちに民家の中に巣を繁殖させ、知らず知らずにミツバチが危険と感じる範囲に入ってしまうことがあります。そうなってしまうと、ミツバチによる一斉攻撃を受けてしまったり、刺された毒に反応し、アナフィラキシーショックを起こしてしまうかもしれません。
駆除する際は、動きの弱まる夕方~夜間にミツバチの巣全体に蜂専用の駆除剤を噴霧して駆除をしましょう。ハチが巣内にいないのを確認したら、巣を取り除きます。
ミツバチは大人しいとはいえ危険がないとは言えないので、知識と経験のある蜂の駆除専門の業者に依頼することも頭に入れておきましょう。
どの種類のハチにも言えることですが、とにかく巣には近づかないようにすることが一番の安全策です。
蜂が原因の悲惨な事故が起こる前に、もしもハチの巣を発見した場合は、迅速にハチ駆除業者にご依頼することをお勧めします。
6.3シラミの駆除
ここでは駆除依頼の多い「トコジラミ」という種類の発生源や駆除方法をご説明します。
トコジラミは別名「ナンキンムシ」とも呼ばれ、カメムシ目ナンキンムシ科に属します。
最近になってトコジラミの被害は増加し関東から九州まで被害は広範囲で、ホテルやサウナ、旅館、簡易宿泊施設、老人施設などで目立っていましたが、最近はアパートや一般家庭でも被害が出ています。
トコジラミはベッド、壁、柱などの隙間や割れ目に潜んでおり、夜間這い出てきて吸血します。1度目は血を吸われてもさほどかゆみはありませんが、2度目以降はアレルギー反応で強いかゆみが出る可能性もあります。
また雌のシラミダニ1匹が200匹以上産卵するため、他の屋内塵性ダニ類と比べても非常に繁殖スピードが速いことが特徴です。
殺虫剤だけでも駆除できますが、一時経つと再発生する可能性があるので、根絶させるには駆除業者にお願いするのが良いでしょう。
当社では家具の裏・中 、ベッド周り(生地のジョイント部分や裏側、内部)床・壁・柱のすき間、壁紙のはがれ裏、畳周り、じゅうたん・カーペット裏など徹底的な薬剤散布による駆除を行います。
まず、ポンプ式噴霧器で残効性薬剤(プロペタンホスマイクロカプセル剤液)の散布を行います。これにより、這い出てきて薬剤の上を歩いた虫を殺虫することが出来ます。更に細部隙間に対して、即効性殺虫スプレーを使用し、隙間に隠れているトコジラミに直接噴霧し、処理をます。
現在の日本の衛生環境は非常によく、トコジラミなんて関係ないと思われている方がほとんどです。しかし、これらの虫は生活環境の衛生状態と関係なく、偶発的に持ち込まれる可能性があり、気付かないうちに家の中に生息している場合もあります。
被害を拡大させないためにも、気になる点などがあれば早めに駆除業者にご相談下さい。
6.4ハエの駆除
ハエは単に食べ物にたかるだけではなく、大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、赤痢菌、腸炎菌などさまざまな病原菌を媒介するやっかいな害虫です。
現在では日本で約3000種が知られており、イエバエなどの大型のものから、体長が2~3mmの微小なハエ類(コバエ)まで様々な種類が存在しています。(コバエというのは複数種の小さなハエの総称です)
イエバエなどのハエ類(大型バエ)は、建物内に侵入する性質が強く、トイレや厨房など屋内に入ってきます。しかし、どこかで発生して飛んでくるハエに対しては、発生源対策(幼虫駆除)ができないため、ハエ対策は建物への侵入の防止や、ハエを捕獲・殺虫するなどの方法となります。
敷地内でハエがわいている場合は、清掃や殺虫剤の散布などをし、幼虫を駆除しましょう。
またコバエ類は体が非常に小さいため、わずかな隙間からも侵入してきます。
食品のニオイに誘引されやすい種類は、食品工場や飲食店、コンビニなどに飛来し、食品の周りを飛んだり、食品内へ潜り込むなど異物混入するケースもあります。
コバエ類は飛来してくるだけでなく、少量の餌からも発生することが可能なため、わずかな生ゴミや腐敗物を放置しておくと、屋内で大発生して問題になることもあります。
どの種類のハエも共通して言えるのは、生ゴミや腐敗物、排水などを好んで寄ってくるということです。
ハエの嗅覚は鋭く、わずかな隙間でも匂いが漏れれば誘引され侵入されてしまいます。
ですので、キッチンの生ゴミや水周りはできるだけ小まめに片付けをし、ごみ箱は蓋付の物を利用して、清潔に保つことを心がけましょう。
もしも発生原因が分からない場合などは、早めに害虫駆除業者に調査を依頼、相談をすることをおススメします。